拝啓、寒の戻りの激しい時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。
いつも、大事な試合の前日に自分自身に向けて手紙を書いていました。
「今日までよくやってきたよね、私たち。
悩むことや逃げ出したいくらい精神的にきついことも多々あったよね。
怪我して気持ちが途切れた時もあったよね。
なんで自分ばっかり・・・と拗ねてひねくれた時もあったよね。
仲間とぶつかったこともあったよね。
その度に何度も話して、乗り越えて来たよね。
諦めずにやってきてよかったよね。
今までのことを思い出すと、無事明日を迎えれることが有難くて・・・本当に幸せでなんだか泣けてくる。
支えてくれた人が沢山いるね。
家族やコーチや仲間、本当に感謝しかないね。
明日は今までのことを全部自分の力にして、精一杯やりきろう。
よろしく頼むね。」
便箋だったり、ノートだったり、宿泊先のメモ帳だったり・・・丁寧に書いている時もあれば、走り書きの時もありました。
穏やかな時もあれば、怖くて泣きながら書く時もありました。
手紙を書くことで、自分自身の気持ちの整理をしていくことが、試合前の神聖な儀式になっていました。
スポーツをしている人たちの周りには、献身的にサポートをしてくれる人や、応援してくれる人が多くいます。
頑張っている姿を見てくれている人たちは沢山いますが、1番その頑張りを知っているのは自分自身です。
どうか、ここまで頑張ってきた自分を、自分が認めてあげてください。
自分とは一生付き合っていかなければいけません。
切り離そうにも切り離せません。
だからこそ、色んなものを我慢して、少なからず何かを犠牲にして、夢中になって努力してきた自分を褒めてあげてください。
生きていると、いつだって「また今度」はないんです。
大事な試合もですし、日々の日常もです。
懸けている想いの質としては、試合と日常とは違うように感じるかもしれませんが、どちらも未来に繋がる今です。
それを感じながら腐らずに生きてください。
誰にも未来は想像できないですし、何がどう転じるかもわかりません。
それが壮絶なサプライズの時もあれば、泣けるほどの嬉しいサプライズもしかりです。
また、なんとでもない平凡な日常かもしれません。
想定通りだけでない沢山の縁が繋がって、今の自分に辿り着いています。
過去思い描いていた未来とは違う、自分と社会が目の前に広がっています。
今の自分が10年・20年後へと繋がっていく訳ですが、その未来もまた自分の想像を超えてくると考えるならば、今を精一杯生ききることが全てのように感じるのです。